8月が終わり、あっという間に9月半ばになりました。
早いものですね〜。夏が終わると今年もあと数カ月か・・・。ついつい数えてしまいます。
8月の後半、岡山にあります石川昌浩さんの工房へ伺ってきました。
石川さんの硝子は、日和のオープン直後から取り扱いさせて頂いております。
石川さんに電話口で、「8月はものすごく暑いですよ〜」と言われ、覚悟して工房へ行きましたが、
その日は強風が吹いていた為、思ったより涼しく感じられました。
風があるといっても、1100度ほどの炉の前で作業している石川さんは、大量の汗を流し、
常に水分補給をされておりました。
また、皮肉なことに、風が吹き涼しいから作業しやすいかと思いきや、繊細な作りのものは、
製作過程の中割れてしまうそうです・・・。私が見学している間も何度か、ぱりーん!!と
音立てて割れてしまっていました。
ガラスの塊が徐々に美しい形へ変化していくのを見て、うっとり・・・。
師である倉敷ガラスの小谷真三先生が書かれた「石川硝子工藝舎」の文字。
溶解炉からガラスの種を取り出します。炉の温度は約1100度。
夏場は相当過酷な作業です。
硝子はすぐに固まってしまう為、形作りをして、また炉の中で熱し、また形作り・・・。
この作業を何度も行い、器が完成していきます。
展示会限定で作られる色ガラス。今年はぶどう色のようです。
竿に少量の硝子を巻き付け、底となる箇所にくっつけます。この時底の部分に出来る
のがポンテ跡と言われています。作り手によって様々ですが、石川さんはこのポンテ跡
を残しております。
その後、縁部分などを処理し形作りをします。
急激に温度が下がると破損してしまう為、500度に保たれた冷却室に保管し1日かけて
冷まします。
使い込まれた道具達の佇まいは美しいです。
石川さんはご自身の思いを、言葉にしてきちんと伝えて下さいますので、お話を聞くたびに
身の引き締まる思いと、配り手としての役割を改めて考えさせられます。
11月の石川さん・十郎さんの2人展。どのような器が届くか、今から楽しみでなりません!
左隅っこの小さな文字、「ありがとうの心をつたえる」という息子さんが書いた紙が貼ら
れています。石川さんの家族とのあり方が伝わってきますね。
お忙しい中、いろいろとお付き合い下さった石川さんに感謝しております。
また、「くらしのギャラリー」仁科さん、石川さんの奥様にもお世話になりました。
みなさん、ありがとうございました。